「せっかく●●したのだから、もう少し・・・」
いわゆる「せっかくだからマインド」と呼ばれるもの。
誰しも、こんな考えもったことありませんか?
この●●には、いろいろなパターンの言葉が入ります。
例えば、
- 「せっかく観始めたのだから、もう少し観てみよう・・・」
- 「せっかく食べ放題に来たのだから、もう少し食べよう・・・」
- 「せっか買ったんだから、もう少し使ってみよう・・・」
- 「せっかく並んだのだから、もう少し待ってみよう・・・」
- 「せっかく申し込んだのだから、もう少し利用してみよう・・・」
- 「せっかく紹介してもらったんだから、もう少しお付き合いしてみよう・・・」
こんな考え、「サンクコスト」と言います。
このサンクコストは日常に溢れかえっていて、人々の考えや行動にがっつり影響を与えます。
このサンクコスト、
「影響を受ける側」、そして「影響を与える側」と両面があります。
それぞれの立ち位置から、このサンクコストを整理してみました
それでは最後までお読みください。
サンクコストとは
サンクコストとは「埋没費用」という意味で、
英語では「sunk cost」と書きます。
埋もれてしまって取り戻せない費用を表しています。
コンコルド効果とは
サンクコストは、コンコルド効果とも呼ばれます。
サンクコスト効果と同じような意味で使われますが、あの「超音速旅客機コンコルド」のこと。
超音速飛行時に機体先端を折り曲げる細身の機体が印象的。
コンコルド効果は、この超高速旅客機「コンコルド」にちなんでいます。

コンコルドは開発中にも商業的な成功が疑問視されていましたが、これまでかけてきた費用や労力、責任問題から止めるにやめられず、開発を進めてしまい、損失を拡大させたあげく、商業飛行を断念したという有名なお話です。
航空ファンの私としては、好きな機体だったのですが・・・
サンクコストの影響を与えるには
サンクコストは、その影響を与える側に立つことで、物事を優位に働かせることができます。
サンクコストの基本は、次の通り。
相手からあなたに次のコストをかけさせること。
- 金銭コスト(プレゼントしてもらう等)
- 時間コスト(連絡をしてもらう等)
- 労力コスト(準備をしてもらう等)
- 情報コスト(教えてもらう等)
- 精神コスト(気を使ってもらう等)
これらのコストを負担してもらうことで、サンクコストが発動します。
いくつかのシーンで見ていきましょう。
ビジネスシーン
ビジネスシーンで見てみましょう。
ユーザー獲得
サンクコスト効果は、マーケティングで活用すると効果的です。
ユーザーに「続けないと損するかも」と思わせることで、サンクコストが発動されます。
- 特別なポイント付与
- 対象者限定の無料イベント
- 無料のお試し
- 入会金・年会費の無料
いずれも、コストがかけられていますので、「続けないと損するかも」という考えがよぎります。
社内政治
上司に甘えてください。頼ってください。
良い意味で甘えてください。
良い意味で頼ってください。
良い意味というのは、
「前向きな姿勢、キャリア志向を持って」
ということ。
この状態で、上司に甘え、頼ってください。
そして、上司の時間、労力、お金(時間換算賃金)などのコストをあなたにかけてもらってください。
そうすることで、上司からあなたへのサンクコストが発動されます。
このサンクコストのは発動と合わせ、上司からあなたへの評価、期待値がグングン向上していきます。
この状態になると、ピグマリオン効果も期待できるレベルになってきていすはず。
ピグマリオン効果とは、
人は期待されることによって、成長し成果を出すこと
過去の記事でも書いていますので、良かったらご参照ください。


あくまでも「良い意味」で甘える、頼ることが大切です。
間違っても「使えないヤツ」という評価を下されないように注意をしてくださいね。
恋愛シーン
続いては、恋愛シーンです。
分かりやすいところで、あなたが女性だとして、相手の男性があなたから離れられなくなるようにするために、サンクコストの効果を利用しちゃうんです。
男性が、あなたに振り向いてもらうために、多くのコストをかけてもらうようにするのです。
お金、時間、労力、情報、精神の過去からのコスト総額です。
もちろんあなたに相手の気持ちに応えたいという気持ちがあれば、このサンクコスト効果
は頼もしい武器になるのですが、その気持ちがないとすると少々注意が必要です。
サンクコストが積みあがれば積みあがるほど、相手のあなたへの想いは強くなる一方です。
これが更に強くなると、ゆがんだ感情になってしまうことも。
そう、ストーカー行為です。
ぜひ注意してくださいね。
サンクコストの影響を受けないようにするには
あなたがサンクコスト効果の影響を受けてしまうこともありますよね。
例えばこんなこと。
- 投資で含み損を抱えていながら損切ができない・・・
- いつかは使えるだろう、いつかは役に立つだろうとして、購入した物を捨てられない・・・
- 何となくつながっている人間関係を止めることができない・・・
他にも、たぁーくさんあります。
イイことなんかないのに・・・
頭ではわかっているのに止められない・・・
いつまでもズルズルと・・・
それがサンクコストの呪縛。
いわゆる「サンクコストバイアス」と呼ばれるもの。
サンクコストバイアスとは、次の通り。
「何かに費やした時間や費用が回収不能になっても引くに引けなくなり合理的な判断ができなくなる心理」
超、簡単に言うと、「もったいないバイアス」です。
合理的な判断が出来なくなるというのが、ほんと厄介です。
私の経験では、株やFXの投資で、損が出たときに、いつかは戻るだろうとして損切りできず塩漬け状になってしまうことが多々ありました。
結局は、どうしようもなくなり売り払う(損が確定)というお粗末な結果に・・・
サンクコストバイアスの最たるものでした。
でもこのサンクコストバイアス、大抵は無駄に終わることが多いもの。
出来れば回避したいですよね。
そこで、ここからはその回避方法についてまとめてみます。
リセット思考を持つ
ゲームで失敗したとき、リセットボタンをポチっとしたことありますよね。
リセットをリアルな世界でやるだけ。
ゲームとの違いは、パワーレヴェルが戻らないだけ。
つまり、損などは確定してしまいますが、拡大は回避できます。
一日でも早くリセットすることが肝要です。
ルール化をしておく
自動化といってもいいかもしれません。
サンクコストバイアスは、自己判断する時に枷(かせ)になり、合理的な判断ができなくなるのです。
なので、自己判断というプロセスをいっそのことなくしてしまうのです。
自己判断に関係なく、ルール通りの処理をするということ。
投資などでは、自動売買の機能を使いこなします。
いくらになったら、売る、買うなど。
その時になると揺らいでしまうサンクコストバイアスの影響を受けずに済みます。
これが最強の回避術です。
オポチュニティーコスト視点で再考する
オポチュニティーコストとは
別名「機会コスト」と呼ばれ、その機会を逸したことにより得られなかったコスト
を言います。
このオポチュニティーコストとサンクコストを比較し、「もったいない」精神でいった場合のリスクと、「もったいない」を止めて、次なるアクションを採ることが最良かを、客観的に判断をして、後者が望ましいと判断したら、躊躇なく「もったいない」を止めるというもの。
従来では、オポチュニティーコスト視点がないので、サンクコストバイアスを回避できないことがありましたが、このオポチュニティーコスト視点を持つことで、より適切な判断ができるようになります。
まとめ
今回は、サンクコスについてまとめてみました。
① サンクコストとは
② コンコルド効果とは
③ サンクコストの影響を与えるには
④ サンクコストの影響を受けないようにするには
サンクコストはあえて自分に意図的に発動させて、リターンを得ると言う裏ワザもあります。
そうです、モチベーションアップにつなげるのです。
例えば、
資格試験の勉強
ダイエット
これらは、なかなか続かないことが多い代表的なもの。
でも、時間、労力、お金(身銭)をかけることで、サンクコスト効果が発動され、継続されやすくなります。
続けることがポイントにもなりますので、あえてサンクコスト効果を意識してみるのも良いと思います。